カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞するなど、韓国映画界の女王であるチョン・ドヨンとドラマ『トッケビ』で一大旋風を巻き起こしたコン・ユが主演する禁断の愛を描いた作品です。
有名なフランス映画の『男と女』を韓国版にリメイクしたもので、男女の切ない愛情を描いた作品です。
美しい映像と共に流れる音楽が2人の心情をさらに効果的に演出しています。
(画像はhttp://www.whitepaper.co.kr/news/articleView.html?idxno=60973より引用)
『男と女』あらすじ
フィンランドのヘルシンキ、子供たちの国際学校で出会ったサンミン(チョン・ドヨン)とギホン(コン・ユ)は、遠く離れた北のキャンプ場に2人で向かうことになる。大雪で通行止めとなり、誰もいない真っ白な森の小屋で2人は体を重ね合わせ、互いの名前も知らないまま別れる。8か月後のソウル。フィンランドでのひとときを雪原が見せた夢だと思い、日常に戻ったサンミンの前に、突然ギホンが現れ、2人はどうしようもないほど熱く惹かれ恋に落ちる。
公式ページより引用
『男と女』見どころ
切なく儚い男女の愛情の燃え上がりや終焉を、実力派俳優の2人が演じることでますます引き付けられるこの作品。
韓国映画独特の過激な愛情シーンもありますが、しんしんと降る雪の効果もあって愛情の中にも孤独感が散りばめられています。
フィンランドでの出会い
精神障害の息子を抱えるサンミン(チョン・ドヨン)は息子により良い教育をさせるためにフィンランドを訪れています。
いつも韓国のローン会社のCMの歌ばかり口ずさむ息子ですが、情緒は不安定です。
母親としてできる限りのことをしようと努めるサンミンはある日、自閉症やうつ病の子供たちを受け入れている学校のキャンプに息子を送りに行き、そこでうつ病の娘を抱えるギホン(コン・ユ)に出会います。
息子が気になるサンミンはギホンにキャンプ場まで送ってくれと頼みます。
実はサンミンはキャンプに遠くにいるから自分も行かせてほしいと頼んだのですが、学校の教育方針から断られていました。
快く引き受けるギホンは、車で3~4時間もかかる距離を送ってくれます。
しかし、キャンプ場の明かりを見ただけでサンミンは帰ることを決断し、ギホンと同じ道を帰ることにするのですが、生憎雪のせいで車両は通行止めになります。
雪がやむまで除雪車も稼働しないということで、帰り道で足止めを食らい、そのままぽつぽつと2人は自分たちのことを話だして、打ち解けていきます・・名前は告げないままに。
誰もいない雪に囲まれた森の中のサウナ小屋の中、異国の地で男女が一緒に一晩過ごせば、関係ができるのは必然です。
お互い伴侶がいるとわかっていながらも、一夜限りの関係を結んでしまいます。
絡む指先、触れ合う肌とフィンランドならではのサウナの熱気が2人をさらに昂揚させ、サウナ小屋の高い四角い窓から漏れる昼なのか夜なのかわからない北欧独特の明かりが差し込む中で愛を交わす2人。
明日雪がやめば帰るだけの関係だからこそ、貪欲にお互いを求めます。
ソウルでの再会
1年後、ソウルでアパレル会社を経営するサンミンの元に偶然を装ったギホンが訪れます。
建設工事を請け負うギホンの会社が近いこともありましたが、この再開にサンミンは驚きます。
お互いにフィンランドで一夜限りの関係だと思っていたサンミンには予想外の出来事です。
しかし、屈託なくサンミンに近づき、何事もなかったかのように振る舞うギホンは、少年のような無邪気さでサンミンを口説きます。
サンミンが新幹線で釜山へ行く時、しれっとついて来たコン・ユの可愛さは異常です(いい意味で)。
サンミンの隣に座って、キスをしたり、工事が終わればまたフィンランドに戻らなければいけないのに、「君がいるからソウルにいようかどうしようか悩んでいる」と言ったりして愛らしさの塊です。
コン・ユはその後別の映画で釜山行きの新幹線でゾンビと戦うことになるというのに笑)。
新感染|コンユ主演の韓国映画!あらすじ・感想・キャストまとめ
最初の出会いでサンミンに「曖昧なことしか言わない」とあしらわれた言動を男女関係にも持ち込みます。
お互いに家庭があるのに、ギホンの少年のような可愛いけれど、執拗なアプローチにサンミンは嵌っていき、また関係を持つようになります。
家族とつきまとう孤独感
お互いに程度は違うものの障害児を持つ親として生活する2人は平凡で幸せな家庭とは言い難い状況です。
そしてお互いに家族がいるのに孤独感に苛まれます。
子供のことを第一に考えて努力しているサンミンは、子供が学校で事件を起こして夫に転校させた方がいいかと相談するも、夫は「普通の学校にこだわるな。特別支援学校に入れればいい」とにべもありません。
テレビを見て障害児に対する正しい接し方などを勉強してはいますが、息子は思うようにならない時には怒って物やサンミンに当たり、優しく接してはいるものの、疲れさえ感じます。
ギホンも精神を病んだ若い妻と幼い娘を抱えながら仕事をして、仕事中以外は疲れが見えます。
仕事も地位も万全な2人なのに、家庭では居場所さえ見つけられません。
似たような境遇で、家族がいても愛情を感じられず、孤独を抱えていると、どうしても癒しが欲しくなってしまいます。
それがサンミンとギホンのダブル不倫へ走らせてしまう原因になってしまいます。
家庭では感じることができない愛情を求めてしまうのです。
『男と女』感想
この作品は不倫ものであるだけに激しい愛情表現がありますが、主役2人の演技が上手いのと、コン・ユが爽やかなせいか、あまりエロスを感じられません。
しかし、ギホンがサンミンの太ももにくちづけしたシーンでは、初めてコン・ユにエロさを感じました。
エロいコン・ユが信じられなくて、ちょっとドキドキしたほどです。
また、2人が体を重ねることになるサウナ小屋に入った時ギホンが「フィンランドでは家より先にサウナを作る人もいる」と言った時は「まじか?!フィンランド人恐ろしい・・風呂好きな日本人でも家より先に風呂作らないよ」と度肝を抜かれました。
驚愕!!チョン・ドヨンの変化
フィンランドで障害児の母親として現れたサンミンと、ソウルで経営者としてバリバリのキャリアウーマンとして生きるサンミンの差に驚愕しました。
フィンランドでは、頼りなく夫に守られているイメージの強かったサンミンが、まさかのキャリアウーマンです。
そして化粧のせいで顔立ちも全然違います。
正直、1年後のソウルのサンミンには「あんた誰??」としか思えませんでした。
フィンランドでの顔は私の知っているチョン・ドヨンだったのが、ソウルではかわいい系の美人になり、10歳ほど若返ったように見えました。
恐るべし、チョン・ドヨン!!
私は女優チョン・ドヨンを『無頼漢 渇いた罪』を見るまで知らず(観た作品に出演していましたが、彼女を知りませんでした)、その時のイメージがフィンランドのサンミンの顔のままでした。
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しかし、ソウルで経営者として凛とした女性になると、化粧でこんなに美人になる女優だったのかと驚きました。
この映画で、私の中でチョン・ドヨンの疲れた中年女性のイメージから一気に美人女優に変わりました。
最初からギホンに惹かれていたサンミン
フィンランドから帰ってきた時、サンミンは迎えの車の中でフィンランドはどうだったかと聞かれた際に「静かで環境がいいわ・・雪も多いし」と答えます。
これは出会った日にギボンにサンミンがフィンランドの暮らしを尋ねた時に言われた言葉です。
サンミンの中では、一夜限りとわかっていても、彼への想いが残っていたのだと思います。
最初の出会いから一夜を共にしたことで、体の中には彼への熱が残っていたのでしょう。
また、サウナ小屋で先にくちづけをしたのはサンミンでした。
ギホンはその勢いに呑まれたように体を求めています。
禁断の愛の結末
ソウルで2人は運命のように愛を交わしますが、不倫の結末は別れと相場が決まっています。
夫も子供も捨ててサンミンはギホンの元に走ります。
いつも逢っているホテルの部屋でひたすらギホンを待ちますが、なかなかギホンはやって来ません。
実は、ギホンは部屋の前まで来たのですが、逡巡してドアに手をかけようとしましたが、ドアを開けることができず、長い間ドアの前で葛藤していたようですが、結局去ってしまいます。
ドアを見つめて彼が来るのをひたすら待ち続け、時間だけが経過するサンミンの姿は悲しすぎます。
フィンランドではすごく時間を気にしていたのに、ここでは時間の経過を気にしたくなく、ひたすら彼が来るのを待ち続けているのですから。
あれだけサンミンに付きまとっていたギホンが最終的に彼女より家庭を選び、ギホンに惹かれていても表面上はクールに徹していたサンミンが最後には家庭を捨てて彼を選んだという展開は、タイトル通り「男と女」の違いでしょう。
男女はどうしても違う思考ですし、感情の発露の仕方も違います。
家庭を選んだ男と家庭を捨てて男に走った女。
そして、孤独感から育った愛の関係は幸せな未来は生みません。
孤独さ故の愛情は2人でいても孤独感から逃れることはできませんでした。
再びフィンランドへ
正式に夫と離婚したサンミン、子供は夫が引き取ります。
韓国は昔の日本のような男尊女卑がまだ根強く残っていて、離婚するとだいたいは夫側が子供を引き取るようになります。
日本では母親が育てる方が一般的ですが、韓国では違います。
1人になったサンミンは再びフィンランドを訪れます━━ギホンに会いたい一心で。
しかし、そこで見たのはギホンが妻と娘と仲良くレストランで食事をしている場面でした。
自分は1人になったのに、相手は家族と幸せそうな家庭を築いて、絵のように幸せな家庭の姿を見てショックを受け、サンミンはレストランのトイレで泣いた後、タクシーに引き返します。
レストランから出ていく後姿、タクシーに乗り込む姿を見てサンミンと気付いたギホンは店から飛び出しますが、タクシーはもう出発しています。
タクシーの中では元夫から電話がかかってきます。
そして、その後電話の相手は息子に換わり、電話からはいつも息子が歌うローン会社の歌が流れてきて、それを聴いたサンミンは嗚咽するように泣き出してしまいます。
ここで、いい味を出すのが女性タクシードライバーです。
車を止停め、自分だけ車外に出てサンミンに思い切り泣かせる時間を作ってあげ、自分は雪の積もったフィンランドの一面の雪景色の中でタバコをふかします。
実はこのドライバー役はフィンランドの大女優カティ・オウティネンで、チョン・ドヨンより5年前にカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した経験を持つ実力派女優です。
韓国とフィンランドの実力派女優2人の共演と言うのも、見ごたえばっちりです。
そこを通過するギホン一家の車。
ギホンはタクシーを気にしますが、車を停めたりはしません。
ただ、ミラー越しに気になるように何度もタクシーを見つめます。
そこで妻は一言「ありがとう」と呟きます。
そこで妻の怖さを感じました。
何もかも知っていて、家庭を壊さないように知らないふりをしていただけだったのだと・・。
一面の雪原の中で、ポツンと1台のタクシーだけが残っているのは、まるで一人ぼっちを感じたサンミンの心情のようです。
『男と女』まとめ
最後のタクシーで泣いたサンミンの涙には色々な感情が溢れていると思います。
家庭も愛も失って、漠然とした気持ちの中で、彼女は何を想ったのでしょうか・・。
そして、家庭を選んだギホンもある意味可哀想な存在です。
本当に愛するサンミンを捨てて、愛していない妻と一緒にずっと暮らしていくのです、妻とサンミンに罪悪感を抱いたまま・・。
フィンランドの針葉樹に囲まれた、ただただ白い世界がその悲しみを観ているこちらを煽ります。
素晴らしい景色と音楽、そして失った愛情。
不倫が悪いとは思いませんが、失う代償は多大です。
会う時期が悪かったのか遅かったのかはわかりませんが、独身時代に出会っていても、結ばれない運命だったかもしれません。
男と女の関係は本当に難しいと思います。
この映画のように、異国の雪の中にすべて埋められたらどんなにいいでしょうか。
そして、ラストでタクシードライバーと一緒に雪原の中でタバコを吸うサンミンは泣くだけ泣いて、吹っ切れたのだと思います。
ソウルに帰れば、家庭はなくても立派な仕事が待っています。
また、新しい恋をすることもできます。
すべての悲しみを雪の中に捨て去り、新しい一歩を歩いていくことを願います。
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『赤と黒』フル動画を日本語字幕で無料かつ安全に視聴する方法はこちらのページで詳しく解説しています。
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