『もう一度ハッピーエンディング』のチョン・ギョンホと『ジャグラス』のペク・ジニの視聴率確実な2人がタッグを組んだサスペンスサバイバルドラマです。
芸能事務所専属の航空機が事故により墜落し、生き残った9人が中国の無人島でサバイバル生活をしながらお互いに腹の中を探り合うという、スリルを毎回味わえます。
彼らは無事に脱出することができるのか、9人のうち生き残れるのは誰なのか、生死を賭けた脱出劇とその真相を探る究極のサスペンスです。
(画像はhttp://view.asiae.co.kr/news/view.htm?idxno=2017011819160951305より引用)
『ミッシングナイン』あらすじ
一時は、売れていたトップ・アイドル・バンド「ドリーマーズ」。
ソ・ジュノはその「ドリーマーズ」のリーダーだったが、今は生計のために活動を続ける芸能人に転落してしまった。
一方、他のメンバーはそれぞれ、今も旺盛に活動を続けている。
そんなある日、レジェンド・エンター・テインメント所属の芸能人が全員、海外公演に行くことになる。
ラ・ボンヒはソ・ジュノの新人スタイリストとして仕事に就く。
初の職場、初の出勤、初の海外旅行の日、ボンヒは飛行機で所属会社の芸能人の間に気難しい空気を感じていた時、飛行機が堕落する。
皆の関心が集まる中、生存者のラ・ボンヒは飛行機が堕落した後の記憶を全て失ったというが...。
一緒に事故に遭った人々はどうなったのか。
ボンヒの記憶が少しずつ戻り始め、ミステリーが解かれていく。公式ページより引用
『ミッシングナイン』見どころ
就職難でなかなか仕事に就けなかったラ・ボンヒ(ペク・ジニ)が芸能事務所のスタイリストとして初めての仕事で、これまた初めての海外に旅立った時、事故は起こります。
芸能事務所の社長はじめ女優やアイドルなどの豪華VIPやマネージャーなど関係者乗せた飛行機が、エンジンの不調で無人島に墜落してしまいます。
誰もが他に生存者がいないと思っていたのに、無人島で生存していた9人が出会い、共同生活が始まります。
唯一の生還者 ラ・ボンヒ
レジェンド・エンターテイメントの航空機墜落事故から4ヶ月。
唯一の生存者であるスタイリストのラ・ボンヒが発見され韓国に帰国しますが、墜落事故のショックと無人島生活に疲れ果てた彼女は何も覚えていません。
世間が自分の推すアーティストが亡くなったと悲嘆に暮れている中で、生存者発見のニュースは注目を浴びます。
特別調査委員会の委員長チョ・ヒギョン(ソン・オクスク)は彼女の生還により、事件が複雑になったことに頭を抱えます。
チョ委員長は部下のオ調査官(ミン・ソンウク)に指示して催眠療法などの様々な方法を使い、ボンヒの記憶を取り戻して、情報を得ようとしてます。
その甲斐あって、世間から注目を集めるボンヒは記憶を少しずつ取り戻していきますが、断片的な記憶が自分が殺人を犯したかもしれないと苦しめることになります。
無人島での生活
前半は記憶を取り戻していくボンヒと無人島での9人で生活が中心です。
無人島でなすすべがなく途方に暮れる元人気アイドルグループ「ドリーマーズ」のリーダーだったソ・ジュノ(チョン・ギョンホ)を尻目に、ボンヒは海女の母親から受け継いだ才能で魚や貝を採って、食事には困りません。
都会では落ちぶれたとはいえトップアイドルと就職難で潜り込んだ芸能事務所のしがないスタイリストの立場がここでは逆転します。
田舎者であるが故に、無人島での生活を謳歌するボンヒと、何もできないジュノの対比が面白おかしく描かれています。
最初は2人だったけれど、次々と墜落事故の生存者が見つかり、9人が無人島で協力して生活し脱出できる日を待ち望みます。
しかし、無人島という非現実な日常を余儀なくされた9人に襲いかかるのは、極限状態に陥った人間の本性でした。
トップ女優ユン・ソヒ(リュ・ウォン)の殺害
事務所の稼ぎ頭だった韓国でもトップの女優ソヒが殺害されます。
皆が皆疑心暗鬼な心を抱えたままでの過酷な生活が訪れてしまいます。
次々と露わになる仲間たちの本性や極限状態での残虐性、誰も信用できないという不安感が8人を苛みます。
韓国ではソヒの兄のユン検事(ヤン・ドングン)が、妹とを殺した犯人を突き止めようと、唯一の生存者であり目撃者のボンヒを狙いますが、生存者が次々と見つかることになり、正義のユン検事はボンヒの味方になるのですが・・。
無人島生活を送る間に残った8人のうち、また1人元「ドリーマーズ」のドラム担当だったムードメーカーのイ・ヨル(チャニョル:EXO)が殺され、残された7人の運命はどうなってしまったのか━━。
※残った7人
ソ・ジュノ(チョン・ギョンホ) ドリーマーズの元リーダー
ラ・ボンヒ(ペク・ジニ) ジュノのスタイリスト
チョン・ギジュン(オ・ジョンセ) ジュノのマネージャー、元軍医
チェ・テホ(チェ・テジュン) 俳優、ドリーマーズの元メンバー
ハ・ジア(イ・ソンビン) 女優、テホの恋人
ファン・ジェグク(キム・サンホ) レジェンドエンタ代表
テ・ホハン(テ・ハンホ) ジェグクの秘書
『ミッシングナイン』キャスト相関図
『ミッシングナイン』感想
一番最初に思ったのは「チョン・ギョンホの金髪が似合わない!!」でした。
しかもアイドル・・・
日本でも30代や40代の男性アイドルはいますが、無理があると(笑)。
28歳設定のジュノ役に当時33歳のチョン・ギョンホを元アイドルに仕立てるための金髪だったとしても、ダメです、彼は黒髪の方が似合います。
ドラマでなければ、若作りをしたいイタい中年男性と思われてしまいます。
それに比べてペク・ジニの可愛いこと!!
天真爛漫な都会に出てきた田舎娘の純情さが前面に押し出されていて、人を疑うことを知らず、みんなで無人島から助かる方法を模索する姿は守ってあげたくなります。
チェ・テホ(チェ・テジュン)が怖い
ソヒとヨルを殺したのは元「ドリーマーズ」のベース担当で解散後は俳優業に力を入れているテホでした。
彼はキレイな顔に似合わず、残忍な性格の持ち主で、あわよくば自分だけ助かろうと常に考えています。
最初は怖いよりも「前髪短かすぎだろ」と前髪ばかりが気になっていたのですが、回数を重ねる度に、彼のサイコパス的な利己主義にぞっとしてきます。
自分の為なら人殺しも辞さないし、責められても自分が正しいという意見は決して曲げません。
無人島から中国の船に助けられた時も、乗り込める筈がないのに乗り込んでいるという、ホラーの怪人張りの怖さを発揮して、船員を惨殺したりと、絶対に許せないキャラクターです。
次々と生還する仲間たち
最初はボンヒ一人だと思われていた生還者が続々と帰ってきますが、ボンヒが望んでいたジュノはいつまで経っても帰って来ません。
それどころか、テホが戻ってきたことにより、ソヒを殺したのはジュノだという事実無根の話を会見で話してしまいます。
新しいレジェンドエンタの社長には副社長だったチャン・ドパル(キム・ボプレ)が前社長のジェググを殺そうと試み失敗したものの、執拗にジェググを殺そうと付け狙い、テホと協力して会社を立て直そうと、正攻法でない手を準備して躍起になっています。
ボンヒの証言はテホによってすべて覆され、中国の病院から退院したギジュンとジアはテホに脅されて、無人島で2人を殺したのはジュノだと証言させられてしまいます。
国民から信用される有名俳優テホの偽情報により、見つからないジュノはファンからの怒りをますます買ってしまいます。
そして、事件は「ドリーマーズ」解散に至った事件にまで言及されます。
過去のこの事件からテホと副社長ドパルが殺人に手を染めていたことが徐々に明らかになっていくのですが━━。
『ミッシングナイン』まとめ
無人島でも展開が読めないのに、全員が生還してからもテホと副社長の作戦により、毎回二転三転する展開でスリル満点の作品です。
ジュノが見つかってからはテホと副社長の真実を暴くところは痛快でしたが、ラストの無理やりなハッピーエンドには首をひねるしかなかったです。
どうして、ハッピーエンドにテホがいるの?!とショックでした。
皆と一緒に笑ってペンキを塗る作業をしていて、テホがいる意味が全く理解できませんでした。
心を入れ替えて、善人になったという設定なのでしょうが、あれだけ自意識過剰で利己的で自分のことしか考えてない3人も人を殺した人間がこんなに簡単に改心するなんて、最後だけがどうしても甘いような気がしました。
テホにはもっと醜く足掻いてもらいたかったのに・・という残念さがありました。
しかし、子役から活躍して容姿で人気のあるチェ・テジュンに最後まで悪役をさせるわけにはいかない事情もあったのでしょう。
最後だけはどうしても不満が残りますが、韓国ドラマでは馴染みのない無人島のサバイバル生活と生還者による人間の本性が露わになる見逃せない展開の画期的なドラマだと言えると思います。
絶対に見逃しができない面白いドラマなので、是非一度観てもらいたい作品です。