2013年にケーブルのtvNで放送された同時間帯視聴率1位を達成した話題のドラマです。
『キスして幽霊!』の"2PM"オク・テギョン、『ボイス』のキム・ジェウク、『清潭洞アリス』のソ・イヒョンが共演という豪華なキャストが奇妙な三角関係を演じます。
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1人の女性をめぐり、実際に守ろうとする警官と幽霊になって見守ることしかできない刑事との愛を描いています。
(画像はhttps://xandddie.wordpress.com/tag/より引用)
『君を守る恋~Who Are You~』あらすじ
ある事件に巻き込まれ、脳死状態に陥っていた女性警察官シオン。
6年間の眠りから目覚めると、それまでの記憶と引き換えに“ゴースト”を見る特殊能力が備わっていた。
遺失物センターのチーム長に就任したシオンは、目の前に現れるゴーストに導かれながら、元刑事課の問題児ゴヌとともに未解決事件を次々と解決していく。
そんな中、かつてシオンの恋人だったヒョンジュンがゴーストとなって現れ…。公式ページより引用
『君を守る恋~Who Are You~』見どころ
6年間脳死状態で眠っていた女性警官ヤン・シオン(ソ・イヒョン)は30歳になった日に突然目覚めますが、6年前に自分が倒れた時の記憶が一切ありません。
シオンが倒れていた現場で刑事がなくなったと写真を見せられても、写真の人物には心当たりがありません。
何もわからないと混乱するシオンはそれでも職場復帰します。
シオンの6年ぶりの勤務先は「遺失物センター」のチーム長で、毎日届く持ち主のわからない物品を保管管理する部署でした。
警視庁の中でも地味な部署でありながらもシオンはそこで様々な事件解決していくようになります。
脳死から目覚めて能力開花
倉庫の遺失物からは死んでも訴えたいことのある霊たちがシオンに集まってきます。
最初は怖がり逃げ惑うシオンですが、霊たちは言いたいことがあって署内だけではなく自宅といわずシオンの前に現れるのです。
霊の想いの籠った遺失物を調査していくと、その品物がただの忘れ物や紛失物ではなく事件の手掛かりであることに気付きます。
遺失物センターの巡査部長で刑事課から不祥事のために左遷されたチャ・ゴヌ(オク・テギョン)と共に捜査に当たり解決していきます。
女子中学生の自殺の真実、失踪した花嫁の真実など、今までは自殺や事故で処理されていた事件を遺失物を手掛かりに捜査していくシオンですが、すべてのきっかけは幽霊です。
遺失物の持ち主だった幽霊たちがシオンに捜査を依頼しているのです。
ゴヌはシオンが捜査の手掛かりの秘密をリークしてくれる人物がいると感じてシオンの行動を監視しますが、そんな人物が見当たりません。
見当たるはずがありません。
シオンにしか見えない幽霊が教えているのですから。
あなたは誰?
事件で見える幽霊とは違い、警察署の建物の中でぼんやりと立ってシオンを見つめ続ける男性の幽霊(キム・ジェウク)がいます。
彼はシオンに近付いて怖がらせたりはしませんが、いつも寂しそうな様子でシオンを切なそうに見つめています。
視聴者からすれば彼は6年前にシオンの目の前で撃たれて亡くなった恋人の刑事だと一目瞭然なのですが、6年の脳死状態から蘇り、事件の記憶を失ってしまったシオンには覚えがありません。
本当は自分がシオンを守ってあげたいのに、何もできない彼の瞳がいつも悲しそうでたまりません。
彼の想いは遺失物扱いとなった木箱に宿っていますが、その木箱には彼のシオンに対する愛情が詰まっているのです━━。
ゴヌの父親の大切な想い
1人のおじさんの霊が見えだしたシオン。
胸ポケットに赤いカーネーションを刺したおじさんはいつも笑顔で付きまとってきます。
悪い霊には見えませんが、まだこの世に名残があるようで執拗に机を叩いて音を出します。
シオンがその音を真似てボールペンで机を叩くと、ゴヌが呼んだかと反応しますが、その音はモールス信号で「ゴヌ」と言っていたらしいのです。
おじさんの幽霊はどうやらゴヌの父親らしく、昔船員をしていた時にゴヌの名前のモールス信号を教えていたようです。
父親は船から降りて事故に遭い、脳を負傷してからゴヌの誕生日のために体調がよくないまま働いてテープレコーダーを買ってプレゼントしようとしていたのですが、買った帰りにテープに自分の声を吹き込んでいた時に車に撥ねられ、亡くなってしまいます。
父はどうしても買ったまま壊れて使わなかったテープの中身をゴヌに聞かせたかったのです。
それまで幽霊の存在など欠片も認めていなかったゴヌがテープを聞いて父親の真心を知り、懐疑的ではありますがシオンが霊からヒントを与えられて捜査していることを認めます。
殺伐とした幽霊騒動の中で、この話の時は温かい気持ちに慣れました。
死んでも尚、息子を心配する父親の愛情には涙すること必至の回です。
このことから2人には信頼関係が徐々に深まり、それがいつしかお互いに愛情を抱くことになっていくのです。
『君を守る恋~Who Are You~』感想
2人目の幽霊を怖がり、「消えてよ、怖いのよ‼︎」と幽霊に本気で言ったシオンには斬新でびっくりしました。
ここまで、本心を言えるなんて幽霊認めてると笑いまで込み上げてきました。
しかも幽霊に怖いなんて本音で言えるなんて凄いと思いましたが、幽霊が消えるはずがありません。
3歳年下で階級は2つ下ですが、自分の方が入庁は1年8ヶ月早かったと言うゴヌは最初はシオンに対抗心むき出しで反発していますが、父親のテープの一件から素直にシオンに従い、徐々に彼女に惹かれていくようになります。
そして、いつしか2人が互いに愛情を持つようになると同時に、彼女を見つめていた幽霊が更に切ないような苦しいような表情になります。
何よりも殉職した刑事ヒョンジュン(キム・ジェウク)の幽霊が黙ってシオンを見つめる目がたまらなく胸に迫るものがありました。
彼女に自分の姿は見えるけれど誰かはわかってもらえない寂しさと、守りたくても物理的に守ってあげられないもどかしさがすべて目の演技に現れていて、こんな顔をさせたくないと思ってしまいます。
悔しいけれど今の彼には見守ることが精いっぱいで、実際に守ってあげられるのは彼女の隣でいつも心配して生きているゴヌなのですから。
ヒョンジュンが悲しそうな顔をするたび、一筋の涙を流すたびにこちらまで胸が痛くなります。
思い出していく記憶
シオンはヒョンジュンのことを次第に思い出していきます。
彼と2人で一緒に制服で写真を撮ったり、将来一緒に住む家の間取りを考えたりして「子供は3人」と彼に言われて無邪気に笑い合っていたことなど、幸せだった日々を思い出します。
そんな幸せな日々の事以外にも、彼の最期となった場面を目の前で見たことを思い出します。
最愛の恋人が防弾チョッキを着ないで現場で銃撃戦になり、そのまま目の前で撃たれたことを思い出し、シオンは彼が自分の前に現れるのは、犯人が捕まっていないからだと考えます。
6年前の事件の真相を暴くべく行動するのですが、どうやら刑事課でゴヌの先輩にあたるチェ・ムンシク(キム・チャンワン)刑事の行動が怪しいようなのです。
イ・ヒョンジュン刑事を知っているかと訊いても、知っていながら知らないと嘘を吐いたりと不自然な行動が目立ってきます。
本当の黒幕は?!
チェ・ムンシクはゴヌの尊敬する先輩刑事として、またヒョンジュンの上司としてと2人からの信頼を得ていましたが、保身に走ったために刑事としての資格を失い、追われる身となって亡くなってしまいます。
しかし、携帯のデータを復旧させている時にゴヌは電話の履歴の中にありえない名前を見つけてしまいます。
その名前の人物を検挙しようと以前拘わりのあった検事に協力を求めますが、検事はヒョンジュンの健康診断より死亡時の体重が10㎏も減っていることに疑問を持ち、ヒョンジュンの遺体として処理されたものが別人だった可能性を示唆します。
ゴヌが調べた結果、チェ刑事が6年前からずっととある病院に寄付を続けていて、その病院でヒョンジュンは別人の名前を与えられ、意識の戻らない植物状態のままでずっと眠り続けていたことを知ります。
彼のことをシオンに告げるべきか悩むゴヌですが、ゴヌもまた狙われたシオンを庇い、刺されて生死の境を彷徨うことになります。
それでもシオンには携帯の復旧した通話履歴に警察庁捜査局長の名前があったこと、ヒョンジュンが生きていることを告げます。
最終的な黒幕として、今までシオンに何くれとなく世話をやいていてくれていた筈の局長が逮捕され、警察組織のあり方に疑問を投げかけるような形となってしまいましたが、ヒョンジュンのいるという病院を訪ねるシオン。
そこには紛れもなくヒョンジュンが6年前の凶弾に倒れてから眠り続ける姿があったのです。
6年前にチェ・ムンシクが局長からヒョンジュンを隠すために、別人と入れ替え、意識はないけれどまだ生きているヒョンジュンを病院に匿っていたのです。
ムンシク自身も病気の子供の治療費のために犯罪に加担していながらも、完全に悪になることはできなかったのです。
だから、ヒョンジュンやゴヌに慕われていた人柄だったと言えます。
シオンは自分は6年ぶりに目覚めたのだから、彼も目覚めると医者に訴えるのですが━━。
一方、まだ入院中のゴヌは後悔の真っ最中です。
自分が好きな女性に恋人がまだ生きていると知らせたために、もう彼女は彼の所へ行ったまま自分には振り向きもしないと、刺された傷口よりも後悔に悶え苦しんでいるのです。
新しい未来へ・・
ヒョンジュンの心残りは自分を殺した犯人の検挙ではなく、自分がまだこうして生きていること、そしてシオンを愛しているからこそ、幸せになって欲しいという想いでした。
「俺は6年前に死んでいる、そこにいるのは抜け殻だ」
とヒョンジュンはシオンに語りかけますが、シオンは首を振ります。。
「お前の笑顔が見たかった。今は君を大切にしている人がいるから安心して旅立てる。愛する人の子供を産んで幸せになれ」
やっとヒョンジュンは自分の想いをシオンに告げて、光となって消えていき、成仏します。
ヒョンジュンの本体もそのまま生命活動を止め、完全にヒョンジュンはこの世からいなくなってしまいました。
ヒョンジュンは本当に愛していたからこそ、シオンの危険を何とかして回避してあげようと占い師のヒビン(キム・イェウォン)に協力をしてもらうように努力し、辛いけれど今はゴヌという恋人のいる彼女の未来を一番に考えてあげたのでしょう。
笑顔で旅立ったヒョンジュンはまだシオンを愛していたのでしょうが、自分の本当の気持ちを伝えると彼女がずっと悩むと思って笑顔で消えて行ったのです。
ゴヌは刑事課へと戻り刑事事件を追って忙しい日々を送るようになります。
遺失物センターは人員も増え、以前通りの日々が訪れますが、忙しいゴヌとシオンはなかなか会うことができません。
警部補がまた一人遺失物センターへ来るということでしたが、来たのはゴヌでした。
手柄を立てたご褒美に3ヶ月だけ遺失物センターの異動を受理されたのです。
ヒョンジュンがいなくなってから、シオンは幽霊に悩まされることはなくなっていました。
あの能力はヒョンジュンと出会うための能力であったかのように・・。
代わりに生死を彷徨ったゴヌに幽霊が見えるようになったようです。
遺失物センターに残された遺失物たちはまだまだ亡くなった人の想いが色濃く残っているようです。
今度はゴヌが「幽霊が見える能力」で事件を解決していくのでしょう━━。
『君を守る恋~Who Are You~』まとめ
この物語には様々な想いを抱いた亡くなった方々が出てきますが、亡くなっても伝えたいことが強いということが感じられました。
それは生きていても同じではないでしょうか?!
苦しくても誰にも言えない悩みを抱えていたり、死にたいと悩んでいたりする人に気付いたら、少しだけでも負担が少なくなるように話を聞いてあげたりすることでその人は楽になれたりするのではないでしょうか。
自分の周りにそんな人がいたら、話だけでも聞いてあげてください。
いつかは巡り巡って自分が苦しい時には助けてもらえると思います。
人生はそんなことの連続だと思います。
ヒョンジュンも自分の言葉が唯一聞こえる占い師のヒビンにずっとシオンを助けるように協力してもらっていましたし、1人では無理なら誰かに頼ればいいのです。
そんなことをふとこの作品を観ていて思いました。
ずっとヒョンジュンの悲しそうな顔が観ていて辛かったのですが、ヒビンに話すときだけ人間らしく生き生きとしていたので、会話するということは生きる上でとても大事なことだと感じました。
明日へ、未来へと生きるために1人だけの力では無理です。
誰かと助け合うからこそ、今よりも尚強くなれるのだと思います。
その相手が愛する人なら尚更でしょう。
愛する人を死んでも大事に想う気持ちがよくわかる作品だと思います。