殺人犯の恋人と知りながらも彼女に惹かれていく刑事。
自分を追う刑事と知らずに惹かれていく女。
許されない関係の2人が出会ったとき、果たしてどういう結末が待っているのか。
刑事をイケメン俳優キム・ナムギル、殺人犯の恋人を韓国を代表するベテラン女優チョン・ドヨンが魅せてくれるハードボイルド作品です。
『無頼漢 渇いた罪』あらすじ
殺人事件の容疑者ジュンギルを追う刑事ジェゴンは、容疑者の恋人であるカラオケバーのママ、ヘギョンに接近するため、身分を隠して彼女の店に出入りするように。ヘギョンのそばで監視を続けるうちに罪悪感を抱くと同時に、次第に彼女に惹かれていく。
ヘギョンもジュンギルの帰りを一途に待ち続けていたが、いつも自分の近くにいてくれるジェゴンに少しずつ心を開いていく。公式ページより引用
『無頼漢 渇いた罪』見どころ
監督・脚本のオ・スンウクは、チンピラと刑事の激しいアクションシーンがありつつも、思いがけない心の交流を描いた『キリマンジャロ』を手掛けています。
本作では刑事と刑事の追う犯罪者の恋人という、決して認められない2人の愛の姿を衝撃的に昇華させています。
第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品作品と話題を呼びました。
髭をやめたキム・ナムギル
2015年公開されたこの作品で、キム・ナムギルのトレードマークだった髭が消えました。
この映画の為でもあり、また、個人的に髭に飽きたというものですが、髭を剃ったことにより男前度が上がって、刑事としての強さが強調されたように思います。
―ヒゲを剃ったのは、今撮影中の映画「無頼漢」のためか?
キム・ナムギル:
「無頼漢」のためだが、個人的にもう飽きたのもある。
ヒゲは映画「モダンボーイ」の時、キャラクターのために初めて生やした。
中国のチャン・チェン(張震)という俳優のイメージをモチーフにして生やしてみたが、反応が良かった。
僕は口が小さいので顔の下の部分が女の子っぽいとよく言われる。
でも、ヒゲがそんな短所を補完してくれた。
それで、ずっとヒゲを生やしてきたが、「無頼漢」の撮影に入る前に剃った。
最初はそんな自分の顔がすごくぎこちなくて不自然に見えた。
でも、人というのは本当に面白いことに、その顔にすぐに馴染んで、今は少しでもヒゲが伸びると汚く見えて、すぐにヒゲを剃ってしまう。―根拠はなく、イメージだが、ヒゲを生やした男性は自分自身をなかなか見せてくれなさそうに見える。自我が強い気もするし。
キム・ナムギル:
そんな部分も少しはあると思う。
僕も男性的な部分をアピールしたいと心の中で考えていた。
幼い時は早く30歳を超えたかった。
重厚な雰囲気を持ちたかったからだ。
だが、時間が過ぎてから、重厚さや重みというのはヒゲがあるかないかの問題ではないということに気づいた。
今はそのことを悟っていく過程にある。
破滅への序章
殺人課捜査課チョン・ジェゴン(キム・ナムギル)は殺人事件の容疑者ジュンギル(パク・ソンウン)を追っていました。
容疑者の恋人であるキャバレーのママ・ヘギョン(チョン・ドヨン)の存在を知ったジェゴンは、身分をイ・ヨンジュンと偽り、店のマネージャーとして潜入し、ママを監視します。
しかし、彼女を観察していると、自分の信念が揺らぐのを感じてしまいます。
どうやらヘギョンに惹かれている自分がいるのです。
そして、ヘギョンも無口だけどいるだけで守られていると感じることができるヨンジュンが気になりだします。
多額の借金返済のために働くヘギョンは、ヨンジュンならこの今泥沼のような生活から救い出してくれるかもと、儚い希望と愛情を抱くようになります。
2人の相手への想いが重なった時、それが破滅への始まりだとは、ヘギョンは知らなかったのです。
破滅へと向かって・・
ヘギョンとジェゴンの想いは言葉を交わさずとも日に日に高まっていきます。
しかし、想像以上にヘギョンはジュンギルという恋人に支配されていました。
いくらヨンジュンに惹かれてはいても、ジュンギルが現れれば彼に従ってしまいます。
ジェゴンも捜査を第一にしなければならないのに、ついついヘギョンを守りたくなってしまいます。
この2人の感情の繊細さを主演の2人が、目つきや表情で、はたまた些細な動きの演技で、語られてはいない部分を教えてくれてます。
さすが実力派の2人です。
そして、2人の想いが重なった時、破滅が始まります。
破滅の終焉
2人の悲壮感に満ちた愛の行方は、ハッピーエンドにはなりません。
寧ろ、衝撃的なラストへと終焉を迎えます。
孤独な2人に待っているのは、相手を愛す気持ではありません。
孤独さゆえに、愛し合った故に相手への気持ちを他の感情に置き換えます。
ラストシーンでジェゴンが悪態を吐く場面まで、苦しい愛の結末の行方は見逃せません。
『無頼漢 渇いた罪』キャスト
キム・ヘギョン役ーチョン・ドヨン
チョン・ジェゴン役ーキム・ナムギル
パク・ジュンギル役ーパク・ソンウン
『無頼漢 渇いた罪』感想
ジェゴンは離婚した過去を持つ、孤独な刑事です。
賄賂を受け取ることもなく、刑事という人生だけを全うしています。
そしてヘギョンは男運がとことん悪い、典型的なダメンズウォーカーで、男のために借金があり、水商売で稼いで返済しています。
なのに、それでも恋人が犯罪者になっても彼を待ちわびて、やはり、彼女も孤独です。
この孤独な2人が出会うと、惹かれあうのは必然ではないでしょうか!?
ネガティブな愛情
ただ、ネガティブな愛情は足し算になりはしても、掛け算にはなりえません。
マイナスとマイナスは掛ければプラスになりますが、足せばマイナスが増すだけです。
2人には、将来がないのですから・・決して愛してはいけない許されない愛は掛け算にはならないのです。
お互いに愛という行為の一瞬だけを求め、傷を舐め合っているのです。
ヘギョンの「私、料理が得意なの」と何度も繰り返す言葉には、本当に好きになってはいけない、重い女だなと思いました。
そもそも、このようなことをいう女性は、若い頃にさっさと結婚して家庭に入って平凡な主婦をしているべきなのです。
でも、ダメンズの彼女はこの年齢までいつ来てくれるかわからない恋人を待って、職場の惹かれた男性と体を重ねるという行為を自ら選んでしまいます。
若ければ許されない恋に燃えるでしょうが、2人とも人生をある程度歩いてきて、酸いも甘いも味わったのですから、この恋が幸せでないことを知っていながら、惹かれて終焉を迎えてしまいます。
こんな関係はやりきれません。
ソギョンはやはり・・
結局二人は幸せになれず、離れてしまいます。
ジェゴンはジュンギルを打ち殺してしまいます。
それは刑事としてなのか、ヘギョンと幸せになる為なのか・・。
しかし、ヘギョンは彼を殺してほしいなどとは望んでいませんでした。
それどころか、ジェゴンに復讐心を抱いて、彼の前から消えてしまいます。
ジェゴンは彼女を探して彷徨いますが、ヘギョンを探して見つけた時には、彼女はダメンズの才能をまた発揮させ、麻薬中毒の男と暮らしていました。
それでも彼女を見つめ続けるジェゴンは、今度の男も麻薬常習者として警察として捕えてしまい、ますますヘギョンの復讐心を煽ります。
結果としてヘギョンのとった行動は━━。
まとめ
孤独感から惹かれあった2人は、最後は決別する結果を迎えてしまいます。
それでも最後までジェゴンはソギョンに愛情を持っていたのだと感じました。
ラストでソギョンに対する悪態を吐いて終わるのですが、死ぬ間際に彼女のことを考えていたのは愛しているからこそではないでしょうか?
彼女に惹かれだしてからのジェゴンは不器用ながらもずっと愛を感じていたのだと思います。
一方ソギョンは誰でもいいから愛を求めていただけだと思います。
それも自分を頼ってくれる男性の愛を。
2人の愛はそれぞれ違う方向を求めていて、けれど孤独感から互いを求めあっただけの寂しさの生んだ悲しい愛だったと思います。
刑事と犯罪者の恋人としての許されない愛ではなく、ベクトルの違う愛だったのですから、そこが愛してはいけない失敗の原因だったと思います。
愛とは何か、孤独感から生まれる愛情とは何かを考えさせられる作品になっています。
『無頼漢〜渇いた罪』を日本語字幕で無料かつ安全に視聴する方法
『無頼漢〜渇いた罪』を日本語字幕で無料かつ安全に視聴する方法はこちらのページでご紹介しています。
無頼漢〜渇いた罪|日本語字幕フル動画を今すぐ安全に無料視聴する方法《韓国映画》感想・見どころも
https://omasabeu.exblog.jp/23953403/より引用 殺人犯の恋人と知りながらも彼女に惹かれていく刑事。 自分を追う刑事と知らずに惹かれていく女。 許されない関係の2人が出 ...
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