アイドルから女優へと見事な転身を遂げた『風船ガム』のチョン・リョウォンと、野球選手からスター俳優へと華麗に転職した『純情に惚れる』のユン・ヒョンミンのラブコメ法廷ドラマです。
最高視聴率14.3%、強豪ドラマを相手に同時間視聴率1位の独走態勢でKBS演技大賞4冠に輝くなどの社会現象を巻き起こし、「魔女ロス」に陥った視聴者から第二弾の制作を求める声が上がるほどの人気ドラマの地位を築きました。
『メリは外泊中』のホン・ソクが演出し、『童顔美女』のイ・ソヨンの脚本だけに多くの視聴者のハートのツボを上手く掴み取り女性主人公の魔女の魅力にとらわれる人々が続出しました。
(画像はhttp://enews.imbc.com/News/RetrieveNewsInfo/216761より引用)
『魔女の法廷』あらすじ
幼い頃に行方不明となった母を捜すため、検事になったマ・イドゥム。出世のためなら手段も選ばない彼女は、刑事2部のエースとして活躍していた。ある日、イドゥムは上司のセクハラ事件がきっかけで、年下の新人検事のヨ・ジヌクと知り合う。奇しくも彼はイドゥムが住むマンションの隣人だった。正義派のジヌクにとってイドゥムは相容れない存在だったが、何と2人は誰もが敬遠する「女性・児童被害対策部」に異動を命じられてしまう。数々の捜査でぶつかり合いながらも、次第に互いの存在が気になり始める2人。さらにジヌクは、いつも元気な彼女が母の失踪という傷を抱えていることを知り…。
公式ページより引用
『魔女の法廷』見どころ
出世することにすべてを賭ける破天荒な検事マ・イドゥム(チョン・リョウォン)。
彼女は自分の出世のためなら人の心もかなぐり捨てて、違法ぎりぎりの所にまで手を出すという、訴訟に勝つことだけを貪欲に追い求め、その性格から「魔女」と呼ばれる検事です。
出世を望むだけあって彼女の検事としての実力は確かなものですが、女性というだけで記者会見で前に立つことを許されず、それでも担当検事として自分が前に出てインタビューを受けらるように工作します。
それ以外では上司の言うことには絶対的に服従し、弱き者をも見捨てるような女性ですが、自分の上司である検事部長がセクハラで記者に訴えられてから彼女の行動は変わって行きます。
記者を担当する検事が精神科医上がりのエリート若輩検事だとわかり、ベテラン検事であるイドゥムは俄然やる気を奮わせます。
記者に訴訟を取り下げるようにと家に押しかけ土下座までしますが、女性記者は現場で見て見ぬ振りをしたイドゥムに反感しか憶えません。
このイドゥムが挑んだ検事こそ後に自分とタッグを組むことになるヨ・ジヌク(ユン・ヒョンミン)なのですが・・。
魔女が寝返った!!
部長検事の聴聞会の日にイドゥムは会場のドアを開けて入ります。
彼女の姿を見て安心する検事部長に微笑むイドゥムですが、彼女の口からは「ありのままの告白」として、記者をセクハラした上司の行動を洗いざらいぶちまけます。
イドゥムの告白に青ざめる部長ですが、イドゥムは部長と同じく出世して憧れの「特捜部」へと異動する件を仄めかされていましたが、実際には記者の家から帰る途中で部長の接待場面を目撃してしまい、自分とは別の検事を出世させる会話を目撃してしまいました。
ここで「魔女」としてのイドゥムは騙した上司に報復すべく立ち上がったのです。
部長はセクハラを咎められ、自信の昇進もなくなってしまいます。
相手検事ジヌクから記者のセクハラの証言をしたお礼を言われるイドゥムですが、相手の握手を無視して「二度と会うことはない」と強く跳ねつけます。
イドゥムは記者女性のためではなく、自分自身が部長から受けたセクハラと昇進の嘘の話を持ちかけた怒りのために考えもなく咄嗟に出た行動だったからです。
すべて自分のために世の中をかき混ぜる魔女のイドゥム、今は部長をやりこめてスッキリしていますが、上司の罪を暴いた責任はのちのち自分の身の破滅を招きます。
魔女が女性・児童被害対策部へと異動
部長のセクハラを白日の下に曝したイドゥムですが、上司の罪を暴いた報いはイドゥムに出世街道には戻れないという茨の道が待っていました。
パソコンで自分の異動を見つめますが、そこにはイドゥムの異動先が「女性・児童被害対策部」とあり、昔のエースであり、今は出世街道とは無縁になったミン・ジスク(キム・ヨジン)部長検事が設立した児童と女性を救済するための部署でした。
花形の捜査をする特捜部とは真逆の地味な部署で、今いる刑事2課から格下げとなる人事で活躍など望める筈もなく、派手なインタビューを受けるようなこともなく、ただ落ち込みます。
そこにヨ・ジヌク検事が自ら志願して異動してきます。
過去の事件のせいで精神科医から検事に転職した事情のあるジヌクと、出世にしか興味がなく今の部署を嘆くイドゥムですが、ジスクから嫌なら辞めろと言われ、ムキになります。
この部で自分の居場所を確保するために、検事7年のイドゥムは入庁10ヶ月のジヌクに自分の補佐に回れと魔女らしくここでも破天荒ぶりを発揮します。
その態度に呆れ、いつも溜息をつくのはジヌクです。
辛く様々な事件の解決
法廷ドラマだけに様々な事件が検察に舞い込みます。
地味な部署だけにその事件性は多岐にわたり、事件の容疑者から恨みを買ったりもします。
特に事件を派手に解決して注目を浴びたいイドゥムは被疑者への接し方もきつく、自宅にカメラを設置されて盗撮の被害にも合います。
顔を突き合わせばお互いにけん制していたイドゥムとジヌクですが、部屋が隣でしかも自分の部屋の大家がジヌクだったこともあり、女性や子供の心理を学んでいたジヌクはイドゥムが部屋で不安がると察してイドゥムと自分の部屋をしばらく交換する提案をします。
この出来事がきっかけになり2人の間の溝は徐々に埋まって行き、検察内で最高コンビになっていきます。
ジヌクが検事になった発端の女子児童性的虐待事件も刑期を終えた義理の父親が出所したことにより、再発します。
5年経ち中学2年生になった義理の娘への出所した父親の執着は異常的で、ジヌクが5年前に精神科医として女子児童を助けられなかった過去を捨てられず、今度こそ彼女を救おうと検事となった今こそ立ち上がり、彼女を救い出して検事として成長していきます。
イドゥムは幼い頃に母親を失踪という形で亡くし、天涯孤独で生きてきました。
20年前追っていた女性被害事件の一番の容疑者を未だに疑うミン部長ですが、その被害者の中に母親がいるのを知ったイドゥムはその罪を償わせるべき相手を知ります。
自分の母の失踪に関係したチョ・ガプス(チャン・グァンリョル)の存在を知ることで母の仇を取ろうと、ミン部長検事が止めるのも聞かずに巨大資産を操るガプスに果敢に戦いを挑みます。
結果、イドゥムの行き過ぎた行動でミン部長とイドゥムは検察を辞めるようになります。
検察を辞めてもイドゥムのお騒がせは止まりません。
イドゥムが逆セクハラで代行の運転手に訴えられてジヌクの前に姿を見せたり、検事上がりの弁護士として自信を持って面接に行っても今までの魔女としての活躍が裏目に出て、敬遠されてどこにも雇ってもらえません。
そこでイドゥムは弁護士事務所を構えたミン・ジスクを頼りますが、イドゥムのせいで部長検事という職も地位も失くしたジスクには嫌味を言われたりと散々です。
そこで諦めないのが、「法廷の魔女」イドゥムです。
イドゥムはまた法廷に返り咲くことを考えています。
『魔女の法廷』キャスト相関図
『魔女の法廷』感想
この『魔女の法廷』でマ・イドゥムという気が強く何事にでも立ち向かっていく負けることを恥辱と感じる女性は、演じているチョン・リョウォンとは正反対の性格だったそうで、最初は自分の役作りが不安だったようです。
けれどドラマを観ていると、イドゥムとしての強気の表情や自分に有利に事を運ぶ時のしたり顔は役作りに思えないくらいイドゥムらしさを発揮しています。
このドラマだけ見ていれば彼女がイドゥムのような性格だと思ってしまうくらい、イドゥムになりきっています。
そして彼女を見守り、だんだんと近寄っていくジヌクとイドゥムの関係はドキドキします。
イドゥムに微笑むジヌクの優しい笑顔にテレビの前の女性もメロメロになること間違いありません。
魔女の帰還
弁護士としては鳴かず飛ばずのイドゥムですが、女性暴行事件の加害者で訴えられた男性の弁護を高額の弁護料で引き受けることになり、法廷にイドゥムは復活します。
検事のジヌクとやりあうようになりますが、流石は「魔女」の異名を取ったイドゥムだけに弁護の答弁は検事よりも格段上で、女性側が不利になっていきます。
しかし、ここでも加害者男性が電話でイドゥムの弁護料を全額払わないという話を聞いてしまい、魔女を怒らせたのが運の尽き、イドゥムはジヌクの証拠に加担して弁護士を下りてしまいます。
ここで被害者女性として登場するのがチョン・リョウォンとも個人的に友人である韓国のビヨンセとも言われる歌手のソン・ダムビが特別出演しています。
チョン・リョウォン演じるイドゥムの法廷復活に友情の証として出演したようですね。
ペク・ソンテの手帳
ジスクの元で部下として働いていたイドゥムはチョ・ガプスの右腕であった亡くなったペク・ソンホ(ホ・ソンテ)の手帳を手に入れます。
とうとうヨンパ市の市長の座に君臨したガプスを追い詰める証拠を手に入れ、ジスクとイドゥムは手帳と共に特検(特別検事)としてもう一度検察に戻ることができます。
以前から怪しいと疑っていたヒョンジェホテルのKフロアにガプスの性的接待と金銭の絡んだ取引の場である「キングダム」に検察の捜査が入りますが、踏み込んだ先はもぬけの殻です。
しかし、イドゥム達にはそこを利用した韓国社会の総理や大学の総長など名だたる重鎮たちが名前を連ねる名簿を入手していました。
彼らはキングダムの存在を否定しますが、そこで魔女イドゥムは罠を仕掛けます。
すべては白日の下に
イドゥムが仕掛けた罠は「キングダム」の従業員として働いていた女性がHIVに罹患しており、それをテレビで大々的に放送して重鎮たちが検査キットで陰性を確認して喜ぶ姿を写真に収め、性接待を認めさせることでした。
そんなこと普通は思いつきもしませんし、そんな罠を使うなんてイドゥムは頭がいいと言うか、悪賢いというか、脱帽でした。
ここのシーンでは慌ててHIVの検査キットを買い求めたり、検査の反応を待ち陰性の結果を見て狂喜乱舞するおじさまたちの様子がとてもおもしろく、もしかするとこのドラマの中で一番面白いところではないでしょぅか?!
キングダムを使用した重鎮たちはすべての責任をガプスに被せて、ガプスは窮地に追い込まれます。
ガプスはそれでも自分の無実をのうのうと主張しますが、本当にガプスの憎たらしいことこの上ありません。
法廷にガプスを連れてきてもふてぶてしく言い逃れをしていて、早くこいつを刑務所にぶち込んでほしいと思います。
しかし、韓国ドラマにはつきものの因果応報のラストが待っています。
20年前から警察署長として悪事を働いてきて、今では市長の座に就いたガプスが最後の最期で自分の罪に対する判決を聞いた瞬間が見ものです。
今までずっと余裕だったガプスの泣き叫ぶ様は今までのすべての胸のつかえがとれるように爽快です。
正義は勝つという言葉をイドゥムとジヌクの検事コンビが体現してくれた作品です。
そして2人の検事の恋の行方はどうなるのかも視聴者から第二弾が希望されたほど気になります。
『魔女の法廷』まとめ
20年前にイドゥムと母は離れ離れになり、ジヌクの母で精神病院の院長だったジェスク(チョン・ミソン)はガプスから弱みを握られてイドゥムの母ヨンシル(イ・イルファ)を精神病患者として閉じ込めていました。
ヨンシルはやがて記憶を失くしてしまい、娘がいることも忘れてしまいました。
母が死んだと思っているイドゥムに母が生きている事実は嬉しくもあり困惑もしますが、この2人の母親が法廷に立ったおかげでガプスは死刑判決を言い渡されるようになりました。
1話でイドゥムの子供時代があまりに可哀想で、この先どうなるのかと心配でしたが、立派な「法廷の魔女」として人生を歩んでいたのはびっくりしました。
母の近くに行くも会うことができずにすれ違ったりと、もどかしい場面もありましたが、すべてはラストの幸せに向けての伏線だったように思います。
法廷でイドゥムを想い出したヨンシルはやっと母娘としての再会を喜ぶことができます。
今からは20年分の時間を取り戻すべく、仲のいい母と娘として過ごしていくことでしょう。
ヨンシルの失踪前は母親に楽をさせるために「医者になる」と言っていたイドゥムですが、母の失踪により母を探すために検事という別の道を歩いて「魔女」として立派な検事となりました。
イドゥムが出世を誰よりも望んだのは、母親を探していたからです。
そして、そこに現れた医者上がりのエリート検事ジヌクを敵対視したのは、自分のなりたかった職業を手に入れてもなお検事に転職した恵まれた環境に育った妬みだったように思います。
イドゥムの「魔女」と呼ばれる程の気の強さは、母親のいない劣等感故に伴った母を探したい思いと、絶対に出世してやるという世の中の理不尽に対しての怒りが根底にあるように思いました。
マ・イドゥム、ヨ・ジヌク、チョ・ガプスを演じるチョン・リョウォン、ユン・ヒョンミン、チャン・グァンリョルの演技が素晴らしいドラマです。
特にベテラン俳優であるチャン・グァンリョルの善人も悪役も熟す空気感が全体をまとめていたように思います。
チュン・グァンリョルの演技がなければここまで見ごたえのある作品にはならなかったと思ってしまうほど、チョ・ガプスという悪役になりきった彼の演技は称賛に値するものだと思います。
こんな素敵な大先輩と演技ができる若手俳優の将来もますます楽しみですね。