『君に泳げ!』のイ・ジョンソクと『私のオオカミ少年』のパク・ボヨンが共演したこの映画は、1980年代の田舎の農業高校を舞台にした高校生たちの青春を描いています。
くすっと笑ったり、ほろ苦かったりと、時代は変わっても青春を謳歌する高校生という不変の物語に自分たちの高校時代が重なったような気持ちになれます。
イ・ジョンソクのイケメンぶりがいかんなく発揮された本作では、女を口説くことに青春をかけた主人公としてちょっと鼻持ちならないけれど、微笑ましく彼の成長を見守ることができます。
(上の画像はhttps://www.nemopan.com/talkmoviefree/7873209より引用)
『僕らの青春白書』あらすじ
舞台は1982年の忠清南道(チュンチョンナムド)洪城(ホンソン)の農業高校。不良女子学生のヨンスク(パク・ボヨン)はイケメンでプレイボーイのジュンギル(イ・ジョンソク)の事を幼いころからずっと想い続けている。そんなヨンスクの事を好きなグァンシク(キム・ヨングァン)はジュンギルの事が気に入らず会うたびに暴行を働く。しかしジュンギルはソウルから転校してきたソヒ(イ・セヨン)に夢中でなんとか彼女の気をひこうと毎日猛アタック。果たして彼らの恋は実るのか!?
公式ページより引用
『僕らの青春白書』見どころ
韓国で一時期流行した「レトロブーム」の1980年代を舞台に、当時「頭髪の自由化」が許された田舎の高校生たちの髪型やおしゃれに目覚めた様子と、恋模様を面白おかしく表現しています。
所々で笑える要素が入っていて、娯楽作品として観られるように仕上がっています。
田舎の高校生ならでは!!「喧嘩」
原題は「血沸く青春」というだけに喧嘩のシーンが多い映画です。
不良少女のヨンソン(パク・ボヨン)は、洪城(ホンソン)で一番の女番長です。
冒頭から主人公のジュンギル(イ・ジョンソク)が自転車の後ろに女の子を乗せてデートしている時にも、河原ではヨンソンが他の高校の女番長と喧嘩の最中です。
この映画では、とにかく高校生の喧嘩が多く、それも喧嘩の仕方が半端なく派手です。
ヨンソンを彼女と思っている工業高校の番長グァンシク(キム・ヨングァン)はジュンギルのことが気に食わず、会えばすぐ手を上げます。
農業高校と工業高校の喧嘩なんて「ビーバップハイスクール」を彷彿とさせるすさまじい喧嘩です。
日本人の感覚からすると、何故ここまで壮絶な喧嘩をするのだろうと、頭の理解が追い付かない程ですが、喧嘩あっての田舎の出来のよくない高校生たちの日常を表していると思います。
そして、喧嘩によりジュンギルをはじめとする高校生たちの成長していく様を見ることができます。
主人公ジュンギルの恋
ジュンギルはクラスの女子全員とデートすることを目標としている自称学校一のプレイボーイです。
いつも最初に誘うのは「廣川飯店」で、ジャージャー麺を注文して、麺をよく混ぜてから女の子に渡すという手を使います。
そんなので堕ちる女の子はなかなかいないと思うのですが、それがジュンギルの流儀です。
クラスの目立たない女の子が運動場で水でラインを引いていると、するりとやかんを奪い取り、気障な仕草で代わりにラインを引いてあげ、最後に水で「あなたのウェルテル 廣川飯店に6時」と書いて仕上げ、まんまんとデートにこぎつけます。
そんなプレイボーイのジュンギルに本気の恋の瞬間がやってきます。
ソウルから肺の病気のせいで転校してきたソヒ(イ・セヨン)に一目惚れです。
なんとかして彼女に近づこうとあの手この手を使います。
果たしてジュンギルの本気の恋の行方とは━━。
それぞれの想い
ヨンソンは幼い頃からジュンギルのことが好きですが、それを素直に表に出すことができません。
幼い頃コンパスを忘れて泣いていると、ジュンギルが「二つあるから」と渡されたコンパスを今も大事に持っています。
実はその時、ジュンギルは一つしかないコンパスをヨンソンに渡していて、忘れ物をしたとして罰を受けたのですが、その時からヨンソンにとってジュンギルはかげがえのない人となっていました。
クラスの女子に次々と声をかけるジュンギルに腹を立て、ジュンギルを呼び出して「あんた口説くのが上手いそうじゃない?!どうして私を口説かないのよ!!」と核心に迫りますが、へなちょこジュンギルは不良のヨンソンが怖くてまともに返事もできません。
工業高校のグァンシクも形だけの彼女となっているヨンソンが好きです。
しかし、彼女が本気で自分に向き合ってないことに気付いています。
何とかしてヨンソンと本気の恋愛がしたいグァンシクは、ヨンソンが気になっているジュンギルに会うたびに殴ったりしています。
体は大人でも、心の中はまだまだ成長段階という高校生の複雑な恋模様が繰り広げられていきます。
『僕らの青春白書』キャスト
- ジュンギル役ーイ・ジョンソク
- ヨンソン役ーパク・ボヨン
- グァンシク役ーキム・ヨングァン
- ソヒ役ーイ・セヨン
『僕らの青春白書』感想
この作品を観ると高校生たちが眩しいくらいキラキラしていて、そんな時代もあったと自分の高校時代を懐かしく思い出します。
自分の高校時代とはかけ離れた世界ですが、それでも高校時代には将来への夢や希望で今よりも輝いていたことがあったなぁ、と。
決してあの頃に戻りたいとは思いませんが、あのキラキラ感は高校生独特のものです。
それが映画という舞台の中に溢れています。
主人公演じるイ・ジョンソクのキャラクター
素晴らしいことに、この作品には勉強のできる生徒は一人も出てきません。
主人公のジュンギルの兄は司法試験に合格するほどできが良いのですが、ジュンギルはまるで駄目で、日本語と英語で0点を取るほどです。
成績が悪いのに加えて、喧嘩などできないへなちょこぶりがまた、いいキャラクターです。
勉強も喧嘩もできないのに、女性を口説くことには長けているという、典型的なプレイボーイで、すぐ髪型の乱れを気にしたり、いちいちキザな行動をして普段なら気に障るのですが、これを演じているのがイ・ジョンソクなので自然と受け入れられます。
今まで女と付き合って別れても平気だったジュンギルが、転校生のソヒに振られた翌日校庭で売られていく牛を見ただけで号泣するという場面があります。
彼の恋の本気度が良くわかります。
ヨンソンが学校を辞めると、ジュンギルがどんどん成長して変化を見せます。
今まで避けていた喧嘩をグァンシクとしたり、勉強して成績の順位を上げたりとヨンソンがいなくなった影響はジュンギルに大きな変化を与えます。
転校生ソヒとジュンギル
ソウルからやってきた転校生ソヒは謎だらけです。
肺の病気なのにタバコを持っていたり、海辺で絵画を描く授業ではイーゼルを立てて黙々と絵を描いていて、絵の才能があるのかと思えば描いた絵は幼稚園児並みだったりと、見かけ倒しです。
田んぼの草取りでも(さすが農業高校の授業です!!)ヒルに吸い付かれて叫びまわったりと、どうしてソウルから転校してきたのか疑問ですが、その瞬間ジュンギルがヒルを引きはがし、「毒が回ったら大変だ」と足に吸い付いて毒抜きをして(蛇ではないので毒はありません。ジュンギルのわざとらしい言い訳です)、その後保健所に行った帰りを待っていて暗い夜道を自転車の明かりで灯してあげたりして、2人の仲は近付きます。
その時言えなかったお礼としてソヒはジュンギルにハーモニカを「ソウルではイケてる子はみんな持ってる」とプレゼントします
正直、この時はセンスに引きましたよ「お前は戦後の兵隊かよ・・(汗)」と。
それから遊びに行くのにソヒは「ソウルではローラースケートをしたわ。でもここにはスケート場がない」といいます。
そこはプレイボーイジュンギルです。
滑る場所ならあると言い、季節柄使用していない学校のプールでローラースケートをして2人の距離がますます近づきます。
デートのこの日、ソヒが一回も咳をしません。
予想していたとおり、ソヒはソウルの学校で問題を起こし、学校に居られなくなり洪城農業高校へと転校してきたのです。
病気は嘘で、タバコを持っていたのも当たり前で前の学校ではバリバリの不良だったのです。
そんなことを知らないジュンギルはいつもの廣川飯店でジャージャー麺を食べ、いつもならしているボディタッチも我慢していたのですが、無意識のうちにソヒのお尻を触ってしまい、ソヒに手ひどく振られてしまいます。
学校からいなくなったヨンソン
正直パク・ボヨンのような愛らしい顔立ちの女の子が不良少女でそれも番長というのは意外でしたが、さすが実力派女優は違います。
掴み合いの喧嘩をしたり、タバコを吸ったり、口から血を流したりと想像以上にやさぐれた不良っぷりを見せつけてくれます。
不良の女番長が似合いすぎて、目つきの鋭さなど、観ていても怖いくらいです。
睨み方など、様になりすぎていて、本物かと疑うくらいです。
そんなヨンソンがジュンギルのことを幼い頃から慕っていたのに、ジュンギルとソヒのデート現場を家から目撃した途端、家でキムチを作っている手伝いの途中でアミエビを入れてと母から促された瞬間に、瓶の蓋が開かないと泣きじゃくりだします。
泣きたいのに、素直に泣けない言い訳として、無理やり瓶の蓋が開かないせいにしてしまうあたりは、不良少女ではなく、ただの恋する女の子です。
ジュンギルのデートがショックで泣くしか方法がわからなかったのでしょう。
そのヨンソンがソヒに呼びつけられ、2人で乱闘騒ぎを起こしてヨンソンは「こんな学校辞めてやる」と学校を飛び出し、そのまま本当に学校を中退してしまいます。
ずっと一途にジュンギルを想い続けていたヨンソンですが、恋心は叶わないまま、ソウルへと仕事をしに旅立ちます。
ソヒに振られ、ヨンソンがいなくなったことを知ったジュンギルはやっと自分の本当の気持ちに気付きます。
ジュンギルも本当はヨンソンが好きだったことを・・。
そして、ヨンソンが消えた喪失感を恋愛へとはもう向けません。
ヨンソンの「あなたは頭がいいから大丈夫」という言葉を胸にしっかりと抱いて、自分の進むべき道を見つめます。
いつか、成功してソウルにいるヨンソンを迎えに行くことができるように━━。
ヨンソンが消えたことにより、ジュンギルの変化が如実に表れます。
あれだけ嫌がっていたグァンシクとの喧嘩も受けて立つようになります。
列車から落とされそうになったグァンシクとの喧嘩でも、電車が川の上を走っている時に、ジュンギルは落とそうとするグァンシクの襟を掴んで、2人とも川へ落ちてしまいます。
結局、へなちょこだったジュンギルの方が川へ落ちても意識がはっきりしていて、まだのびているグァンシクの履いていた靴を首にかけて歩き出します。
この2人の喧嘩は186㎝のイ・ジョンソクと187㎝のキム・ヨングァンの高身長のイケメン2人の争いで、とても迫力があります。
ラストはまさかのパロディ?!
ラストは大人になったジュンギルがヨンソンの働いている場所へ、スーツを着て花束を持って現れます。
ヨンソンがいなくなった時、心に誓った行動なのですが、実はこのシーン・・。
『愛と青春の旅立ち』のパロディです!!
80年代を懐かしむだけあって、そうきましたか、というラストです。
この作品は面白くないという意見も多々ありますが、転校生ソヒの登場により面白くなっていきます。
役者陣のはっちゃけぶりが観ているこちらにも愉快さを分けてもらえます。
学生時代のキラキラした感情を思い出すことができます。
もう戻れない時間を懐かしく思い出すことができる気持ちになる、そんな素晴らしい作品です。
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